2008年1月18日金曜日

ちりとてちん




NHKの朝ドラですが、はまってしまいました。女房もお袋さんもです。(女房のお袋さんは、KBCが朝やってるキムサングンにもはまっています)。みんなで泣きながら観てます。




わたしが素晴らしいと感じているのは、論理的であると言うことです。




会話が特に素晴らしい。練りに練ったセリフだなあと、脚本家の頭の良さに感服しています。




しかも15分以内という時間的制約下でよくもまあ観ている人を説得感動させることが出来るなあ、と、その才能に惚れました。




観ている人を感動させるためには、説得力が必要で、それには論理性が不可欠です。もちろん、人間は突発的衝動的な行動をとります。でも、そのような行動でも納得できる説明が不可欠です。




ドラマの語源は、相両立しない欲求同士の衝突をいいます。突発的衝動的な行動に見えるのはその行動の対立欲求がわからないようにみえるからです。




ですから、最初に衝動的行動を見せた後でなぜそのような行動に出ざるを得なかったかについて、対立欲求を説明すれば、なるほど、それでああいう行動を取ったのか、と納得できるわけです。




 ちりとてちんの場合、登場人物の各キャラクターが明確で、その人々が、彼のキャラからすればそのような発言をするのももっともだという安心感を築いた上で、さらに人々に突飛な行動をとらせ、その後にその説明をきちんとし、しかもその説明を担当する人を限定せずに均等に配分しているので単調さを防ぐことに成功している。




言い換えると、群衆ドラマとすることに見事成功しているのです。各自が生き生きと描かれている。こんなしっかりした構造を作れたことに才能を感じるのです。むかし、アメリカのアーサーヘイリーという作家が同じような群衆小説を書いていました(グランドホテル小説といいます)。




これに匹敵する素晴らしい才能だと思います。




しかも、状況に応じて5種類ほどの音楽を使い分けていて、場面設定ごとの雰囲気を見事に表現し分けています。




おしん以来の傑作ではないでしょうか。




このような説得力を答案にも生かせないかなあ、などと思いながら観ています。






ところで



昨日甥の住む学生寮が新築されるので新しい寮を見学してきました。スゴスギル。



ゴージャスそのもの。各部屋一人部屋でベランダ付き、エアコン完備、バストイレ付き、各階に談話室、親が来寮したときに泊まれる部屋、一階の食堂は全面ガラス張りで中庭が見渡せる、ホテルラウンジのよう。しかも立地が百道のど真ん中で閑静なたたずまいを体現したような場所、大学まで歩いて4分。これ以上の学生寮はないです。



わたしと寮母さんは感嘆の声を上げ、自分もここに住みたいと叫びました。



ところが、なんと、肝心の学生達は沈黙。甥に、感想は?と聞くと、『予備校の寮の方が広かった』などどほざくのであります。シンジラレナーイ!



 ぜいたく者という表現だけでは足りなさすぎます。自分たちがどんだけ恵まれているのか全く分かっていない。腹が立って腹が立って仕方ありませんでした。



大学も変です。学生寮とは貧乏な学生を保護して勉学に努めさせるためにあるはずなのに、超高級な箱物を作って高い寮費をとるなんて、はっきりいって間違っています。



 寮費を旧寮の倍にするんですよ。貧乏人は入るなということです。



どう思います?