vacant
空っぽ、といった感覚です。昨日までの異様な戦争状態からもう何年も経ったような気がしてしょうがないです。
試験が終わった日の夜、真夜中に布団に入ったものの、1時間ほどしてパッと目が覚めました。
試験が終わって慰労会会場に行くまでとその帰り、本や資料、コーヒーの入った魔法瓶などを抱えて歩いたせいか、足がつってきました。
しかも両足が。たったあれだけの距離を歩いただけなのに。それもあってほとんど眠れませんでした。
今日は肉体と精神の凝りをほぐそうと、スーパー銭湯に行ってきました。小田部というところにある、福の湯です。
これは大正解でした。露天風呂に浸かりながら涼しい風にあたると本当に頭から雑念が抜けていく気がしました。
同じクラスの女性に連絡を取ったところ、もう既に問題検討とか再現とかやったそうです。
マジ勇気あるなあ、と驚愕しました。わたしには出来ません。想像しただけで胃に穴が空きそうです。
昨夜の慰労会で、長年ロー生の受験指導を精力的にしてくれている弁護士と話をしました。
彼は暗い顔をしてました。その訳は、今年は問題傾向が激変したため、この1年間必死で指導した来たことが無意味となり、今年で最後のチャンスだった人たちの役に立てることが出来ず申し訳ない、というものでした。
よ~く分かります。
わたしが今年はじめて受験してしみじみ感じたことがあります。
第一に言えること、それは勉強しなければならない範囲の広さと深さです。確実に合格しようとすると、とてつもない勉強量が必要です。
その点、4年前に始まった試験の蓄積により、答案マニュアルが確立されつつありました。
去年すべった人たちは特にこのマニュアルを必死で自分の物としようと1年間がんばってきたはずです。
ところが、今年の4月下旬、法務省は突然、慌てて去年の問題の採点についての雑感をホームページに載せました。受験生の答案がマニュアル化しつつある、とか書いてました。マニュアル化の弊害は旧試験でも声高に叫ばれてきた物です。
マニュアルという物は思考や行動を効率化して無駄な努力を省略するための役に立つ段取りですが、逆に言えばそういう風に書けば考えなくても点をもらえるということでもあったのです。
マックやモスやコンビニやユニクロのように、マニュアルをきちんと創り上げ確立させスタッフに守らせることはとても大切なことであり、企業にとっては無形の財産です。
ですが、マニュアル答案は受験生の思考を停止させてしまうという弊害も大きい、と法務省は考えたのです。結局、創業者利益だけ認める、というわけです。未だだれもマニュアルを知らなかった時点ではマニュアルの威力はスゴイのですが、みんながそれを真似するようになると途端に無価値になるというわけです。いや、法務省は無価値どころか有害だと言い切ったわけです。
マニュアルを考えついて最初に実践した者はスゴイ高得点をもらえるが、後になってそれを真似るやつらはちゃっかり者に過ぎない、それこそ自分で考え創造することをサボるヤツには甘い顔は見せない、というわけです。
たしかに今年の問題は去年までと比べるとかなり違ってました。
でも受験開始の合図が鳴った直後に問題用紙の封を切って初めて中身が分かるのですから、何がどう変わったか、なんて試験中に比較するなんて余裕なんかありません。
ですから、去年までと同じ対策で立ち向かうほかありません。ところが問題文が去年と違う聞き方をしているのです。つまり去年までのマニュアルが使えないような問題文をつくってやった、というのです。
というわけで、マニュアルによる当てはめを否定された以上一体何をどうやって書いていけば良いのか、さっぱり分からなくなってきた、ということです。ま、おそらく条文中心の現場思考をやれ、というのでしょう。あとは、基本判例と照らし合わせて考えろ、とも言いたかったのでしょう。
それから、受験中に実感したことですが、答案には自分の持っているモノがモロ出る、ということです。よく知らない箇所は絶対に書けません。思いつくこともできません。試験時間は4時間もあるのですが、長い問題文と資料を読みこなすには不十分です。
試験委員会は結局トータルでその受験生の実力が自然と分かるような出題をするんだなあ、と思いました。
つまり、敵さんはほんと、カシコイということです。
なんか、暇をもてあましている的感覚です。速読の訓練と似て居るなあと思いました。集中して速読の練習をした後は、普段のやりかたがかったるく感じてくるのです。それと同じように、丸4ヶ月、朝から夜中まで焦って問題解きや条文読み、答案読みばかりやってたので、急に終わってしまうと、一体何をすればよいのか、なんだか空っぽな感じに襲われました。
それで、早い内に民事執行法、保全法の勉強と、倒産法の実務家用の本を読もうと思います。
前者は尊敬する和田先生の本と、予備校の講義録音を。後者は、学生時代同じクラスにいた友人が弁護士になって書いた分厚い倒産法の本です。共著ですが大した物です。
2010年5月18日火曜日
登録:
投稿 (Atom)