2010年2月9日火曜日

ロバート、B、パーカー、立松和平
















亡くなりました。残念です。最近はこんな話題が多いです。



ロバートBパーカーという作家、ご存じですか?ボストンに暮らす私立探偵スペンサーが主人公のハードボイルド小説を書き続けた作家です。たしかハーバード大学の文学部教授だったんですが、自分が読みたい本当に面白いハードボイルド小説がない、ということで自ら書き始めたんです。

ハードボイルドというのは、自分の行動規範、それも他人から見たら奇異に映るのですが自分では大まじめというか、それこそ全力を上げて自分のスタイルを守ろうとすることです。そして、『ハード』ですから、その規範というのがとても厳しいんです。


どのハードボイルドの主人公にも共通しているのは、本質的には心優しい人格者であり、悪から身を守り社会を出来れば良くしたいと願う良きサマリヤ人である、悪を強烈に憎む、自分のスタイルを堅く守ろうとして特別な人間つまり自分と同じニオイを持つ人間とだけ友人関係を結ぶ、しかしその分絆が深くて太い。常に自分をより高めようと努力している。そんなところです。


これはアングロサクソン族が持っている珍しく立派な資質といえます。フランス人やイタリア人にはあまりいません。ドイツ人には若干ありますがドイツ人の場合ちょっと暗さがあります。スウェーデンにも『マルティンベックシリーズ』という似たようなものがありますが、こちらは警察官なのでチームワークを重視しています。


スペンサーシリーズは何度も映画化されたりドラマ化されましたが、やはり小説が一番です。今思い出しました。恋人スーザン、相棒の黒人ホークがまた良いんですよ。

わたしのハートにグッと来る小説でしたのでかなりショックです。


そう言えばこの人の別のシリーズで警察署長シリーズというのがあります。

アメリカでは2時間ものでドラマ化されました。4本くらい作られました。これはスゴク良いです。主人公を演じているのがこれまたわたしの好きな俳優、トムセレックで、雰囲気が素晴らしいです。ハードボイルドの味が結構出ています。
もう一人、わたしがとりわけ好きなのが、イギリスの競馬シリーズを書いているディックフランシスです。わたし、かなりのイギリス好きなので、このシリーズはほぼすべて読みました。ジスイズハードボイルド、です。競馬というタイトルがついているのが災いしてみんなギャンブルの競馬ばかり想像しますが、実は競馬界を巡る人々、調教師とか騎手とか馬主とか獣医とかの様子がよく分かる、とても面白いシリーズです。しかも大抵は障害競馬という、怖ろしいレースの騎手が主人公になります。なので落馬して大けがをしたり、あるいはわざと落馬させて殺そうとしたり、と、スリリングです。

なんか、果てしなくだらだらと続けてしまいました。そうそう、ハードボイルドにほぼぴったしのイメージの人がいました。高倉健さんです。あの健さんがちょこっと緩やかになった感じです。

 一方、立松和平さんの訃報には驚きました。ついこの間まで元気に山や村を歩き回っていたのに。楽しくて充実した人生だったような気がします。うらやましく思いました。

☆今日はなんと22,7度!春も終わり、みたいな天気で、暑くて暑くて。机に座っていたらじわ~っと汗が背中を伝わっていきました。

おかげでずいぶんと気合いが入りました。4月下旬のシミュレートが出来ました。


☆文系校舎の紅梅白梅が見事でした。


追:レイモンドチャンドラーはロスを舞台とした私立探偵フィリップマーロウを創り上げました。そしてあの有名なセリフ『男は強くなければ生きていけない、男は優しくなければ生きていく資格はない』が生まれました。
ハードボイルドを見事に言い当てています。


If I wasn't hard, I wouldn't be alive.
If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.
                   Raymond Chandler