2009年4月27日月曜日

調停技法

月曜夕方から2コマ連続で、レビン先生(日本人だが結婚で?)の授業があります。アメリカ仕込みの調停のやり方の授業です。
 要するに、クレームやもめ事を調停するには、文句を言っている人の怒りや恨みの原因を探り当てることだ、ということです。
ところが、当事者はカッカしていますから、とても冷静な発言、思考が出来ません。そこで気持ちを落ち着かせて、気持ちよくしゃべらせ、調停員を信頼させ、冷静な判断力を取り戻させることが必要です。そのための技法を、心理学や人間観察力のスキルアップを通じて学ぶのが目的です。
 つまり、昔は大勢いた聞き上手で仲裁の上手な知恵者になれ、ということです。
わたしはこれこそメシの種になる授業だと思いました。ところがロー生のほとんどはこの授業の価値が分かっていません。勉強ばかりやっているからでしょうか、弁護士稼業というものは世間の波に漂う商売であり、人間の作り出したトラブルでメシを食わせてもらっている商売だということに思い至りません。
つまり、トラブルの本質、トラブる原因、トラブル解決法を教えてくれる有り難い授業なんです。
どうもロー生たちは、何でもかんでも法律さえあれば解決するみたいに思いこんでいるようです。
例えば、今日ゼミでやった問題なんですが、皆さんもちょっと考えてください。常識で考えてみてください。
AがBに頼まれて、自分のクレジットカードを貸しました。Bは職を失っていて、カードを持っていなかったのです。
そこでBはAから借りたA名義のカードを使ってパソコンを買い、カードで支払いました。
 そこで問題です。Bに何か犯罪が成立するでしょうか。例えば詐欺罪は成立するでしょうか。
わたしの考えは明日述べます。

追:今日も模擬裁判の打ち合わせで未修クラスの学生達と議論しました。ますます好きになりました。とても優秀です。それから人の話をよく聞きます。そのあと、議論を纏めようとします。視野がとても広くて客観的です。本当に気に入りました。自分の意見を客観的に冷静に言うことが出来ることは大変重要な資質です。

追追: 破産法のコンメンタール(注釈書)、買いました。川嶋先生が推薦したのです。5000円くらいだろうと予測して本屋に行くと、これがなんと12000円!ぎょえ~っです。
定額給付金が吹っ飛びました。涙涙です。