2013年9月1日日曜日

ひょうたん寿司で

昨日、夕方、突然、いつもお世話になっているN先生から電話が。今天神に居るから一杯やらないか、とのお誘いでした。恐れ多くて尻込みしかけましたが、せっかくお誘いくださったのでありがたくお受けしました。
その時わたしは車でローに来ていたので、一旦クルマを住吉の女房の実家に置いてからバスなり地下鉄なりで天神に向かおうと思ったのです。ところが、台風のため雨がジャンジャン降っていて、しかも金曜日の夕方特有のラッシュアワーと重なり合ってしまい、猛烈な渋滞に巻き込まれてしまいました。N先生との約束の時間に天神に到着することは完全に無理。猛烈に焦りました。タマタマ女房が帰宅していたので女房を住吉で乗せ、一緒に天神に向かい、そこでわたしだけが降りて女房はそのままクルマで住吉に引き返す、という計画は崩れ去りつつありました。
N先生に、遅れてすみません、という電話を2回もしてしまいました。
結局、天神の手前の大渋滞の真ん中でわたしはクルマを降り、降りしきる雨の歩道を走りました。
ようやく天神地下街の南端にたどりつき、地下街へ下りました。そこから、待ち合わせ場所である地下鉄改札口までの遠かったこと!走っても走っても地下街は延々と続くばかり。いろんな汗がほとばしりました。
結局、6時半の待ち合わせ時間から30分近く遅れてしまい、N先生はすこしおかんむり。
10回くらい深々と頭を下げて謝りました。わけを話すと、それなら奥さんも一緒にくればよかったのに、とおっしゃってくださいました。
ひょうたん寿司というお店は昔から大繁盛しているお寿司屋さんです。その日もぎっしり。廊下には2組ほどがいすに座って待っていました。
10分ほど待って店内に。久しぶりに本物のお寿司を食べさせていただきました。わたし好みの、小振りな江戸前で、しかもシャリがほろりほろりと口の中でほどけていくのです。
お寿司以外にも、ハモの梅あえ、鯨のさえずり(舌)の刺身など、どれも美味しかったです。N先生はお酒がもの凄く強くて、生ビールの後は伏見のお酒、玉の光の小瓶を二人で4本空けました。普段そんなに日本酒を飲まないので相当酔っぱらいました。
N先生とは法律の話とか今年の試験の話はほんの少しだけで、後は四方山話とか昔の思い出とか。N先生は高校の大先輩なので、思い出話をすると共通項がかなりあります。むかしむかし、筑肥線という国鉄の線路がありました。博多から唐津までの線路です。なかなか風光明媚な線路でして、博多湾や能古の島、生の松原など、美しい海岸線を通っていました。今は半分、地下鉄に取って代わられてしまいました。
唐津への途中に、二丈町というところがあり、そこには希に見る良質温泉である、きららの湯という温泉センターがあります。ラジウム温泉でして、ほんなこて上品かつ清潔かつ最高の効能がある温泉です。この温泉に入ると身も心も清々しくなるんです。二丈町にはN先生の叔母さんが住んでらして、子供の頃、蒸気機関車で博多から二丈町にある一貴山駅(いきさん)に降りると、駅の周囲はすべて田んぼ。その田圃の向こうに叔母さんの家があり、そのときの情景が今も思い出される、とおっしゃっていました。よく分かります。わたしも、子供の頃乗った汽車とかバスとかの記憶は他のことに比べると遙かに鮮やかに記憶に残っていますから。

世が世なら最高裁判事になられたはずのN先生と差しでお酒を飲むことができ、光栄でした。あと2年で公証人を退職され、ローの教官も原則退官ということです。その後は弁護士登録されてローの教え子たちと共同事務所を立ち上げるのだ、と、おっしゃいました。その時はあんみつさんも大番頭として頑張ってくれ、と言われ、脂汗が出ました。第一、今年受かっていなければならないのに、不安が拭えません。第二に、もしもN先生がボス弁なら、わたしが書いた起案はN先生から10回くらい書き直しを命ぜられることは明らかだからです。福岡高裁時代、地裁判決の三分の一以上は厳しく叩かれて破棄されたそうですから。
進退両難です。でも、受かってからキツイ目に遭う方が落ちるのよりは何万倍も楽です。
あ~、もうすぐ発表かあ。