2009年2月24日火曜日

おめでとうダブル受賞




さっきまで要件事実についてコメントというか愚痴をこのブログに書きかけていました。



みなさんに何故わたしが要件事実がよく分からなかったのか、そして今ようやく謎が解け始めた、と言うストーリーをだらだらと書き殴っていたのですが、中止しました。



面白くなさそうな気配が濃厚に漂っていたので。



替わって、何故WBCでソフトバンクの松中と和田が代表落ちさせられたのか、原を批判し倒してやろうとも。



でも、今日のアカデミー賞ダブルはノーベル賞並の大ニュースですから、やはり挨拶しなければ、と、さっきまで右往左往してました。



ユーチューブでおくりびとの予告編を見ました。主題歌も。素晴らしい映画のようです。ユーモアとシリアス、生と死、悲劇と喜劇、コントラストが素晴らしいような感じです。また、山形の庄内平野がとっても美しいです。明治初年、イザベラバードという女性旅行家がたしか庄内平野のことをエデンの園と表現したのを思い出しました。


予告編を見た限りでは仏様の女性の死化粧がとても美しかったです。また、日本家屋の畳と雪見障子、夫婦で行く銭湯など、日本文化、日本情緒がたっぷりでした。


こういう日本の美しさ(儀式、振る舞い、所作、人間関係、風景、四季、)がたっぷり盛り込まれていて、世界中の人に日本の良さを分かってもらえることになりそうで、そういう映画がアカデミー賞をもらえたことは素晴らしいことです。


そしてまた、生と死という問題は全ての人間が直面するものなので、本編は究極の人類共通の普遍的映画なのかもしれません。


 でも、世俗に戻ってしまいますが、こんな世界が認めた映画だったのに、宣伝はぱっとしませんでした。マスコミだとか映画評論家がワーワー興奮してこの映画は名作だから絶対見よ、とわめいていたなど聞いた憶えがありません。


またしても海外からの評価によって初めて良さが分かる、という我が国の哀しい対外評価依存症がでたのではないでしょうか。


つまり、今度の中川大臣の大失態もそうですが、我が国のマスメディアはその社会的責任をまったく果たしていない、ドアホぞろいじゃなかろうか、という強い危惧感を憶えてしまいました。


はなしがずいぶん逸れましたが、もう少し言わせてください。ローマで中川大臣が酒を飲んでいた夜、読売新聞の記者もその宴席にいたそうですが、読売新聞はそれについて何か弁明かなにかをしたのでしょうか。第一、政治家を批判的にチェックするのが新聞記者の責務ではないんですか、ホテルで一緒に酒を飲む政治記者って欧米にいるでしょうか。記者会見場で、『大臣、あなた酔っぱらってるんじゃないの?』と訊いた記者が誰一人いない、というのは一体どういうことですか?60年前の大本営発表を唯々諾々とそのまま載せた朝日読売毎日と変わっていないんじゃないんでしょうか。


わたしが中川問題で恐怖したのは、中川氏自身についてではなく、彼の周りにいた新聞記者、テレビ取材陣のモラルの崩壊です。


はなしが完璧にずれてしまいました。もう一つのアカデミー賞、短編アニメ賞ですが、これも予告編をチラッと見ました。こちらは切なくて切なくて、胸が痛くなりました。数年前のAIという未来映画を思い出しました。スピルバーグ監督の、サイボーグ少年が母親と慕った人間の女性の面影を何千年も追い求める、という作品で、ラストのシーンはこの10年間の映画の中で最も心に滲みるものでした。涙が止まりませんでした。


 ノーベル賞と言い、アカデミー賞と言い、どちらも富士山の頂上にあたりますが、それは広くて成熟した裾野を抱えているからこその話だと思いました。日本は自然科学でも映画でももの凄く広い裾野を擁しているのだなあ、見えない部分の凄さに感動しました。
 テレビで言ってましたが、アカデミー会員はユダヤ人が多くて、外国語映画賞ノミネート作品の中で、イスラエルの映画があったので、その映画が受賞するだろうと思われていたそうです。ところがふたを開けたら日本映画に。
その訳は何だったのか、について、アメリカ人が言ってました(テレビで)。なんでもユダヤ教では死者を洗い清める儀式があるそうで、ユダヤ人から見ると、おくりびとにはすごく共感を感じたのだ、と。へぇ~っと思いました。
一説によると、エジプトに連れ去られたユダヤ人は12部族いて、モーゼが彼らを率いて紅海を割ってシナイ半島に逃げた際、10部族が行方不明になった、そのうちの1部族が日本に渡ってきた、と言われています。そのせいで日本の風習とユダヤのそれとで似ている部分がたくさんある、と言う人もいます。例えば山伏がおでこに被る六角形の形の箱みたいなものはユダヤ教にもあるそうですし、よく神社に牛の銅像が置いてありますが、ユダヤ教の神殿では牛が聖なる生き物として飾られていた、とか、神社入り口で水で手と口を清める儀式も同じだとか、ユダヤの星の形が彫られた石灯籠が伊勢神宮にある、とか、ユダヤ人は日本に来ると、初めて来日したときでもなぜかほっとする、とか、、、。
失礼しました。ちと興奮してしまいました。とにかく、おくりびと、一度見なければ。