2010年1月16日土曜日

閉鎖病棟




帚木蓬生(ははきぎほうせい)の小説です。精神医療と法という授業のレポート課題の対象に選びました。でもいま、葛藤中なんです。



このレポートは期末試験に替わるものなので、これを出さないと単位がもらえません。ところがわたしはもう必修科目以外について必要な単位はすべて取り終えていますので、この科目の単位を取る必要性がないんです。



なので、レポートを出すまいかとも思います。受験勉強の方がよっぽど大事ですから。



しかし、意地というか、メンツというか、はたまた川副先生に対する礼儀というか、出さないとかっこ悪いなあ~とも思います。



ま、そもそもそんなことで悩む方がよっぽど時間の無駄とも言えますが。



それで、レポート用紙2枚程度の、形だけのレポートにすることにしました。



じゃあ一体何を書くかなあ、と思案しながらお風呂に浸かっていたところ、!、が降りてきました。



この小説は患者さんの家庭環境、生い立ち、周囲特に親族との軋轢を多く描いています。家族や親戚からつまはじきにされた患者さん達は厄介者と扱われて精神病院に入れられます。入院時は、発作が爆発して社会で大騒動を起こした直後なので脳が沸騰している感じで自己コントロールが出来ませんが、しばらく経つと落ち着いてきて、一般人とほとんど変わらない状態にまで回復する人が多いです。ところがそういう風に病状がほとんど平癒したにもかかわらずその後何と数十年間もの長い間、病院に留まっています。



自発的に退院する患者さんはごく少数なんです。



理由は、家族が退院に消極的なためです。再び発作が起きてとんでもないことをしでかさないかという不安、前回(と言っても素十年前の話ですが)の発作で隣近所に迷惑を掛けてしまったため退院させることに周囲が不安を抱くため呼び戻せない、それから、患者さんの財産の横取りを目論む親族が退院を妨害しようとして、病院の担当医に退院をさせないように求める、などです。


 実際、統合失調症(むかし、精神分裂病と言われたもの)の患者さんの中には、どこかから声が聞こえてきて自分に家を燃やせと命令したので家を燃やした、とか、家族中が自分をいじめていると錯覚して家族全員を刃物で刺し殺した、とか怖ろしい行為をした人もいます。


 でもそう言う人たちも、入院後数年経つと落ち着いてきて幻覚幻聴を見ないようになっていき、終いにはほとんど一般人と同じ状態に戻ります。


 また、潔癖症が昂じて何度も何度も手を洗わないと気が済まないひと、毎朝続けてコップ10杯の水を一気飲みしなければならない女性、一日中掃除を続ける男性、など、いろんな形で一般人よりも少しだけこだわりが強い人も多いです。


 こういう人たちは、遺伝的なものによる人も中に入るということですが、大概は後天的な環境とか人間関係の軋轢、差別、いじめ、などで少しずつ心が痛んでいったために発症したものだそうです。


そう言う人々が何十年間もの間、毎日毎日同じ病棟で集団生活しているのが精神病院です。




この小説は、読み始めの頃は退屈で、一体何を言いたいのか、とイライラしました。


ですが、後半から、どうも、精神病患者とされている人たちの方が心が細やかで繊細で対人関係にとても傷つきやすいナイーブな人たちであることがわかってきました。むしろ、彼らは人間の原点に戻ったのではないか、とすら思うようになってきました。


一般社会人は分厚い殻を纏っているのに、それが無い人たちは他人からの精神的加害をまともに受けてしまい、こころが傷ついてしまってコントロールが出来なくなったのではないか、と思いました。


 脳梗塞にかかった友人が、発症時、まるで自分の脳がやけどを負った感じがした、と言っていたのを今でも強烈に覚えています。


 統合失調症になった人たちも、心がやけどをしてしまったのかもしれません。




で、この小説のあらすじなんですが、、、、、、、、。


知りたいですか、みなさん?


焦らしているみたいで申し訳ないんですが、わたし自身、書きたくもあり、書きたく無くもあり、の心境で、迷っております。




どーしよーかなー?
写真は、多々良川とたまごプリン