2010年11月25日木曜日

あの町この町日が暮れる







野口雨情作詞。むかしばあちゃんがよく歌っていました。



今日、TACの論文問題をローの自習室で書き終え、遅い昼ご飯と気分転換を兼ねてバイクでちょっと遠出してきました。天晴れ!と言いたくなるような雲一つ無い秋の青空。



空も空気も風も素晴らしい、宝物のような一日でした。



うどんを食べに行ったのですが、店が閉まっていてがっかり。近くに有名な建物を発見したので見に行きました。



圧倒されてしまいました。



そこは宇美町にある炭坑跡地にそびえ立つ、縦坑櫓跡です。



行政法で有名な判例があります。宇美町給水拒否事件というやつです。



宇美町と言うところは昔大きな炭坑があったので、地下は坑道が縦横無尽に走っていて、井戸を掘っても飲めない水しか出ません。それで、水道に頼るしかないのですが、近くには水源がないのです。それで宇美町は飲料水需要が増加しないよう、新たなマンション建設を制限しようとしたという事件です。






近くに行ってみると、完璧に圧倒されてしまいました。これはアートだ!シュールなアートだっ!と心がブルブル震えました。



地下で掘った石炭を地上に引き上げるための唯のコンクリートで組み立てられた構造物に過ぎないんですが、巨人のような圧倒的な存在感と同時に、孤独感、いや、虚無感を漂わせていました。



なにかが心に突き刺さりました。






虚無感と言えば、CGですけど、小惑星探査機はやぶさの再現で出てくるイトカワという小惑星をみたとき、嗚呼、これぞ宇宙の孤独だあ、と底知れぬ孤独感を感じてしまいました。
あの漆黒の、寒冷な小惑星の表面に自分が取り残されたとしたら、、、、、、なんて思うと心底孤独を感じてしまいました。
ハインラインというアメリカのSF作家の小説を思い出しました。いまではほとんど見向きもされていませんが、アメリカ人の孤独を表現することが出来た大作家です。
なーんて、毎日充実して勉強しているのに、ふと我に返ると、鴫立つ沢の秋の夕暮れ、的叙情に耽ってしまいました。


ちょっとヤバイですか、こういう心の持ちよう、って。
※ちなみに、宇美町の宇美、とは産み、という意味です。神功皇后がこの場所で応神天皇をお産みになったことが町名の由来です。スゴイ由緒ある地名ですなあ。