2009年5月6日水曜日

サヘル・ローズとシューベルト






















発熱で頭が回らない状態ですので、これから先はうわごとを吐いていると思って読んでください。









このところ、クルマでローに行くときは車内でほとんどいつもシューベルトを聴いています。









なぜかというと、すがすがしい音楽だからです。シューベルトってきっと清潔感あふれる人物だったに相違有りません。というか、純粋なんですよ、良くも悪くも。モーツァルトのような天才のひらめきも濃密さも少ないし、ベートーベンのような迫力と情熱も少ないし、スラブ系作家の情緒も少ない。けれども、誰よりも純なんだなあ。朝聴くと5月の朝の少し肌寒いけど澄み切った青空にぴったりなんです。もっと言うと冬が終わりかけてもうすぐ春だというときの早朝、きりりと引き締まった空気のような音楽です。









決して11月の秋の青空ではないんです。11月はというとこれはもうスラブ系の独壇場です。秋冬はチャイコフスキー、ドヴォルジャック、ラフマニノフ、スメタナ、敢えて付け加えるならゲルマン系ではブラームスくらいかなあ。









 話を戻すと、シューベルトがこれほど素晴らしい音楽家だとは思ってませんでした。深い音楽性哲学性は無いかもしれません。でも音がピュアーなんです。聴いていると頭の中の不浄なものが洗い流される、そんなすがすがしさを実感します。今までドイツ人の作曲家はあまり好きではないと思いこんでいたわたしは穴があったら入りたい思いです。








 そういえばロー生でフランスかぶれがいて、1950年代の文化大臣だった作家のアンドレマルローの言葉を引用してました。マルロー曰く、インドはリリジョナルだが日本はスピリチュアルだ、と。つまり、インドと言う国は宗教が濃密な国だが日本は自然のどこにでもスピリットつまり精霊が潜んでいる、と言う意味だそうです。








 その言葉を思い出して、ああなるほどなあ、シューベルトってどっかスピリチュアルなところがあるなあ、と感じました。シューキョー、とコテコテにキリスト教に入れ込んでいるわけでもないんです。いつも遠くを見つめている、世俗と切り離された純粋な魂を感じるのです。









 









 話題を変えて、この前偶然NHKを見てたら、絶世の美女、これこそかの楊貴妃である、とアゴが外れるほどの美人が出演していました。









 イラン人のサヘルローズさんです。昔で言うならペルシャ人です。









ちょっと肌は濃いめですが、背筋と首筋がすらーっと伸びて、8等身、小顔、面長、目はパッチリ、鼻は小振りでちょっと上向き、口は上品でやや肉厚気味、









実にノーブルな顔立ちです。嫌みが全くありません。すっきりした顔立ちです。どちらかというと中性的な感じさえします。









かの大唐帝国の玄宗皇帝の愛姫楊貴妃もペルシア人(ソグド人とも)だったのではないでしょうか。というのも、楊貴妃の出身地は蜀の国、今の四川省、と西方です。しかも玄宗皇帝から皇帝の座を奪おうとした安禄山はソグド人、つまり今の中央アジアのサマルカンド付近にいたペルシア系民族出身でした。







さらに安禄山はなんと楊貴妃の養子になって出世したのです。この二人には何か共通するモノがあったはずで、それはわたしのみるところ、どちらも同じ民族だったのではないだろうか、ということです。ゆえに楊貴妃はサヘルさんのような容姿だったのではないだろうか、と思ったのです。       







 海音寺潮五郎は、奈良時代にペルシア人達が大勢日本にやって来たであろう、と書いています。彼らは鼻が高く長く目も大きかったので、天狗のモデルとなったとも。そして彼らは定着しないでジプシーのような移動生活をして、歌舞や芸を見せて放浪していたので差別されてクグツという蔑称で呼ばれた、とも。多いにあり得る話だと思います。







 我が日本人ほど混血化の進んだ国民はいません。純粋の日本人の中にも一目見ただけでこの人はインド人、あの人は東南アジアの人、そっちの人は中国系、、、とどう見ても日本人に見えない日本人が一杯います。逆にどうかするとタイやベトナムのひとで日本人そっくりさんがいますし、ブータンとか雲南地方に行くとそれこそそっくりそのままです。中央アジアのウズベク族やウイグル族にも日本人そっくりがいます。







 はなしがアジア中にぶっ飛んでしまいました。ついでにトリビアを一つ。イランという国の名前は「アーリア」から来ました。つまり、イランはアーリア人の国、すなわちヨーロッパ系民族の国、と言う意味です。去年大学でエジプトに留学してきたという学生に話を聞いたとき、中近東のイスラム諸国はほとんどどの国も言語が共通しているが、唯一イランだけは民族が違い、言語も違う、と言ってました。イラン人ってどちらかというとヨーロッパ人にとても似ているということです。







 なんでサヘルさんのことでここまでずれたのか、ワケが分からなくなってしまいましたが、とにかくサヘルローズという女優さんは類い希な美女です。







後でネットで調べたところ、イランイラク戦争で両親と6人の兄弟全てを爆撃で殺され、がれきの下敷きになっていたのを後に養母となる女性に助けられ、その女性の元に引き取られたもののその女性は嫁ぎ先から追い出され(サヘルさんを引き取って育てたのも原因だとか)、親戚が日本にいたのでその人を頼って二人で日本に来たのだそうです。この養母と養女の親子の深い絆には感動しました。サヘルさんの大きな目からこれまた大粒の涙がこぼれだしたときは、広隆寺の弥勒菩薩を思い出してしまいました。仏像の姿もヘレニズム文化、つまりインドとギリシャが融合してアフガンやペルシアで生まれた文化ですからどこか似ているのでしょう。







 風邪の妄想も体力が尽きてしまいました。 長らくおつきあい下さりありがとうございました。おやすみなさい。

4 件のコメント:

芙蓉 さんのコメント...

こんばんは。お加減はいかがでしょう。
ブログを拝見する限り、とても風邪を引いているとは思えず、素晴らしい内容、ぐいぐい引き込まれてしまいました。
あんみつさんは、シャイで、純粋な魂をお持ちのよう。
シューベルト、確かに、凛とした清らかさ感じます♪。

美女のことになると話題は尽きませんね(^^ゞ。
これからも、楽しみに!
それにしましても、お写真、幻想的で、お見事!!
美しいです..。

お身体、お大事になさってくださいませ(^^ゞ。

はまやん さんのコメント...

芙蓉さんへ
 いつもながら的確なコメント、表現力の豊かさはさすがです。
あんみつさんへ
 久しぶりの夕焼けの写真。風邪気味でもだんだん頭の方は元に戻りつつあるようですね。いつも思うのですが、これほど知識と知性があればいつでも小説くらいすぐ書けるのではと思っています。風邪の妄想がすごいイマジネーションを作ってくれているのかもしれませんね。
 

ソラン さんのコメント...

書き込みしてる余裕のないせっぱ詰まった状況の我が身を省みず思わずキーボードを叩きたくなるほど素敵な空の写真でした。
ご無沙汰してます。
例年、カーネーションの赤い花粉症に苦しめられていますが、今年は秋冬に対策を講じなかったせいでひどい状況です。
重ねて一ヶ月後の難関を考えると、心穏やかではありません。
あんみつさんもあまり無理をせず、早く体調を回復してください(睡眠時間4時間は年寄り?にはちょっとこたえると思います)。

あんみつ さんのコメント...

芙蓉さん、はまやんさん、そしてソランさん、賑やかでウレシイっす。ありがとうございます。
芙蓉さん、いつもいつも有り難いお言葉。風邪も吹っ飛びます。満月の写真を撮りたくて仕方がなかったのですが、腕が悪く、夕方まだ明るい時刻でないとちゃんと写らないんです。ときどきもの凄く大きく見えるときがありますよね、そんなぽったりとした満月を撮ってみたいです。
はまやんさん、ローでは風邪が大流行中です。はまやんさんも朝晩の気温の変化に気をつけてください。特に盆地では気温差が激しいみたいですから。それからあの試験対策もね。
ソランさん、もうすぐでございますですね、母の日まで。おっしゃること、ビンビン伝わってきますです。次の例の試験のための予行演習ととらえたらどうでしょうか。箱崎のO君にも言ったのですが、刑は適性の数滴処理、憲は読解、民だけ知識、と割り切ってはどうでしょうか。大変なのはむしろ11日からだと思います。とにかく頭を柔らかくすることだと思います。それには、自分を解放すること、自分は自由なんだと感じること、なんちゃって、わたしにそんなことを言う資格は微塵もないですけど。でも脳力を最高にするためにはやはり脳に圧力を掛けないようにすること、自己解放が一番かと。
日曜は夕方O君と一杯やることにしています。らく~に楽しんでください。