2013年8月17日土曜日

はだしのゲンと松江市教育委員会と司法試験




決まりです!これが来年の司法試験の憲法または行政法の問題のネタになります。
間違いありません。
これはもう、論点の宝庫です。ありとあらゆる憲法問題、行政法上の問題が充満しています。ここには大きく分けて3者が絡んでいます。規制する側である市の教育委員会と各学校、規制される側として①この漫画が読めなくなる小学生③この漫画を書いた漫画家(お亡くなりになってらっしゃるのでその相続人が著作権者となるでしょう)、という各人の利害が衝突しているのをどう調整するか、が第1の問題です。完全に漫画の発行を禁止したという明らかに過度の制約をしたわけではありませんが、きわどい性的な部分とか残虐な描写だけを削除して開架図書とするという最小限度の制限でもありません。第2の問題は、読めなくなったのが小学校の図書室だけで、町の本屋さんに行けば小学生でも買って読むことができるのですから、はたして読む権利を制約したことになるのか、です。第3の問題は、そもそも小学校の図書室に置いている本を読む権利というのが憲法上の人権なのか、学校から与えられたものだけしか読む自由はない、与えられていない本を読ませろ、と要求する自由まであるのか、です。それとも、一旦図書室に置かれた以上、その本を読む自由は保障されるのだ、だから開架図書とされたものを閉架とすることは読む自由の侵害なのだ、と考えるか、です。あと、教育委員会と各小学校との関係は上下関係なのか、つまり教育委員会は命令権限があるのかないのか、規制する側の真の当事者は委員会なのか小学校の校長なのか、という行政法の問題も。
 
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