2010年1月28日木曜日

要件事実

今日午前、民事裁判実務の教官である伊藤裁判官に質問しに行きました。
オフィスアワーと言って、学生からの質問時間を予め指定しているのです。
実務家教官は、みなし教官として、文系地区にある大学院棟(ローではなく、むかしからの大学院)の一室が準備室にあてられています。
そこで、10時半から12時まで、と時間を限って教官がスタンバイしているわけです。
わたしが11時過ぎに行くと、学生が一人質問していました。
しばらくしてその学生の質問が終わり出て行くと、今度はわたしの番。
5個ほど質問事項があったのです。ですが、どれも見事に粉砕されました。
分かった!という感じではなく、こちらの質問に対して逆に質問が来て、千鳥足みたいによろよろとこちらが答えると、それがわたしの質問に対する答だった、というわけです。つまり、よ~く自分で考えてみろ、そしたら自ずと答がでてくるでしょ、と言われた訳です。
やっぱ、厳しい人です。裁判官の中でも超優秀らしいというのは本当です。噛んで含めるような教え方はしてくれません。そんな簡単なことくらい自分で考えろ、という感じです。
でも、質問しに行って良かったです。おかげで要件事実の考え方の核の部分が分かったんです。茂木健一郎さんの言うところの、アハ!体験です。
で、夜、試しに要件事実の参考書をパラパラ見ていたら、自分の本の読み方が変わったのが分かりました。見るところが違ってきたんです。
 でもでも、それだったら初めから『ここがポイントだぞ!』って教えてくれても良かったんじゃないでしょうかね~。遠回りしすぎました。
 ともあれ、要件事実という物に対するアレルギーはほとんど消えてくれました。
その意味では伊藤裁判官に感謝します。将来、最高裁判事になってほしいです。

3 件のコメント:

はまやん さんのコメント...

質問
 「よ~く自分で考えてみろ、そしたら自ずと答がでてくるでしょ、と言われた訳です。
 」このことは質問に対する答えを教えることはあまり意味のないことだということですか?

あんみつ さんのコメント...

そうでもあり、そうでもない、んじゃないかと思います。
歯切れが悪くて申し訳ありません。
自分の思いこみが強い場合、それ以外の思考ができないようになっています。
そこで、『自分でよーく考えてみろ』と突き放されると、その瞬間、自分の頭が真っ白になり、自縛から解放される感じがします。
そうすると、仕方がないので原則とか基本とか定義しかとっかかりがないのでそこに遡ってやり直します。すると、ぱっと分かることがあります。
つまり自分が原則や定義をすっ飛ばして勝手に暴走していたことに気付くわけです。
 ですから、こういう指導の仕方は、ある種の圧迫面接でして、やってる最中は汗まみれで動悸バクバクですが、自分のために役に立つことは疑いありません。

はまやん さんのコメント...

 ありがとうございました。よく分かりました。