2020年8月27日木曜日


 波も荒けりゃ心も荒い

度胸1つの玄界男

恋も未練も波間に捨てる

それが男さ それが男さ 花と竜


今年アフガニスタンで銃撃され亡くなった、故 中村哲さんのおじいさんです。

この、花と竜という映画の主人公のモデルは、北九州の若松でごんぞといわれた石炭積み出し労働者を束ねる人足業を経営していた玉井金五郎(若松の仲士・玉井組組長)と妻のマンです。

その夫婦の間の息子が、火野葦平という作家で、彼が書いた小説が花と竜です。

金五郎夫婦の間には火野葦平の他に葦平の妹がいて、その妹から生まれたのが中村哲さんでした。

おじいさんの玉井金五郎は愛媛県の出身だそうです。市議会議員を何期か務めていたようです。

この国には素晴らしい人が居た、という事実に胸が熱くなります。

今読んでいる本は、守城の人、といいう、村上兵衛さんが書いた伝記で、柴五郎中佐(後に陸軍大将)が義和団事件で北京に籠城した西洋各国の人々、キリスト教徒の清国人を守り通した実話です。日本人の鑑とも言うべき人でした。籠城した各国の軍隊と義勇兵を組織し、作戦を立て、見事にわずか500人の寄せ集め軍で2万人の義和団と清国軍の侵攻から民間人や外交官を守り抜いた人です。フランス語、ドイツ語、中国語が堪能で、豪胆かつ繊細、義に厚く驕らず誰に対しても公平に対処したので、イギリス公使マクドナルドから絶対的信頼を受け、民間人の女性たちのアイドルになりました。他の日本兵もそうでした。西洋人全てが日本軍に対して畏敬の念を持ったのです。しかも彼らは明朗闊達で、どんな深刻な事態にあっても笑顔をもって率先して対処しました。

マクドナルド公使は、日本人と日本軍の人間性、その能力に感嘆したため、後に駐日イギリス大使となり、日英同盟を絶対に結ぶべきだとイギリス政府に要請し続け、その結果、栄光ある孤立主義を貫いてきた大英帝国がついに孤立を破り、東洋の小国日本と日英同盟を結ぶという、驚くべき政策変更をもたらしたのです。

この、柴五郎中佐という人も、中村哲さんと同様、日本人が決して忘れてはならない人です。会津藩出身で、明治維新のとき、会津若松を攻めた官軍と戦い、母と姉妹は自害しています。父と本人は青森や北海道で苦難の開拓を行い、生きるか死ぬかのつらい暮らしを続けました。



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