2011年7月4日月曜日

保証してくれ

遠すぎた橋 という映画を思い出しました。
第二次大戦末期、ノルマンディ上陸後、連合軍がベルギーからオランダに進出しようとしていました。どうしてもクリスマスまでに勝利を収めようと無理して、ドイツ軍の背後を空挺部隊が落下して襲いライン川に架かる橋を連合軍の空挺部隊が死守する(大失敗に終わる)という映画です。
そのとき、アメリカ軍の若い兵士が、戦闘で死ぬことへの恐怖から逃れるために、同じテントで寝泊まりしていた同僚にこう頼むんです。『どうか保証してくれ、オレは死なないって。』
すると同僚は『保証するよ、お前は死なない。』と。
そのシーンを思い出したのは、玄海町長が海江田大臣に、『国が安全を保証してくれたから再稼働を認める』と言ったときでした。
海江田大臣が出した安全宣言は全くの空手形です。映画で同僚が言った保証と比べものにならない悪質なものです。
どちらも全く安全の保証にはなっていませんが、映画では兵士は戦地に向かうことが命令で義務づけられているのに対し、原発再稼働をしないことは自由なのです。嫌々ながらでも死地に向かわざるを得ない者に対して心の安らぎを与えることは罪ではありません。しかし再稼働しなくてもよい場合であるのに安全を保証するという空手形を発行するのは罪です。安全が全く保証されていないのにもかかわらず安全だと言い張るのは意思の自由を偽らせること、つまり騙すことだからです。

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